光学素子
ガイダンス
ミラーセレクションガイド Mirrors Selection Guide

光学実験用のミラーは、高精度に研磨されたガラス基板に、真空蒸着装置で金属や誘電体の膜をコーティングして作られます。
コーティングによって色々な特徴を持った反射率の光学特性を得ることができます。
光学特性を見て要求仕様に合っているミラーを選択します。

代表的なミラーコーティングの反射率特性比較

ミラーの特長
コートのタイプ 該当製品 特徴 用途
金属膜 アルミ(TFA)
金(TFG/TFGS)
銀(TFAG)
安価。
広い波長帯域で使用できる。任意の入射角で使うことができる。膜の吸収があり、反射率が少し低い。キズがつきやすい(保護コート無し、金ミラー)
簡単な光学系
低出力レーザを用いた光学系
白色光の照明系や結像系
赤外の光学系(金ミラー)
広帯域誘多膜 超広帯域(TFMS)
0-45°入射用(TFVM)
反射率が非常に高く、損失が少ない。膜に光の吸収が無く、レーザ耐力が高い。キズがつきにくい。波長範囲が狭い。入射角度45度で使用。 精密な光学系(微弱光や低損失の光学系)
サブワットクラスのレーザ光学系
多波長レーザを用いた光学系
レーザ用誘多膜 レーザ用(TFM)
ハイパワー(TFMHP)
反射率が高く、広い波長帯域で使用できる。膜に光の吸収が無い。膜が硬いのでキズがつきにくい。 レーザを用いた光学系
ハイパワーレーザ光学系(TFMHP)

誘電体多層膜のミラーは反射率の特性以外にも様々な特徴を持たせることができます。

スーパーミラー(TFHSM) 99.999%の高い反射率と低い散乱損失を兼ね備えたミラーです。
フェムト秒レーザ用ミラー
フェムト低分散ミラー(FLM/FLMHP)
フェムト負分散ミラー(GFM/GCM)
フェムト秒レーザには、広帯域、低分散、高レーザ耐力の特徴を兼ね備えた誘電体多層膜のミラーが使われます。
ハイパワーレーザ用誘多膜平面ミラー
(TFMHP)
多層膜を特殊な構造にすることで、高エネルギーのパルスレーザに耐えることができます。